マウス (August 18, 1997)
なんだか最近肩と首が異常に凝る。高血圧でもあるまいしと思って血圧を測定しても特に異常は無い。なんだろう、なんだろうと考えあぐねていたところ、今日は凝りを通り超えて首の痛みと頭痛となってしまった。それも右側だ。
今日は何をしたのだろうと振り返ってみると、思い当たることがあった。パソコンのマウス操作だ。
今日の午後ほとんどずっと今まで自分の作ったファイルをノーツデータベースに登録する作業をしていたのだが、これがキーボードだけでなくて、マウスを使わないとできない作業なのだ。考えてみれば何百回マウスをクリックしたことだろうか。右側ばかりが痛くなる理由もこれなら説明が付く。
やっぱり1日数時間もパソコンと格闘するとこういうことになってしまうのか。慌てて行き付けの整体治療院に駆け込んで、マッサージと鍼灸治療を受けた。一時期の激痛は減ったものの、まだなんとなく痛みが残っている。治療をしてくれた院長の話によれば、筋肉がカチカチになっているので、何日か通院しなさいということだった。
一回のマウスクリックという作業自体は大した事無くても、それが繰り返され、蓄積することによって大きな問題を引き起こすようだ。アメリカではこういった事を理由にパソコンメーカーに対して製造物責任の訴訟を提起したという話を耳にする。そんな訳でマイクロソフト社も妙なエルゴノミクスデザインなるキーボードを売り出したりしている。
キーボードやマウスの形状も問題なのだろうが、そもそも机と椅子に極めて大きな問題があるのだと思う。というのは、私が使っている机と椅子は普通の事務机でパソコンの利用など全く考慮もしていない代物なのだ。その上にデスクトップとモニター、キーボードを載せて使用している。こんな物でまともな作業姿勢が保持できる訳がない。せめてパソコン作業用の机と椅子に変えてもらいたいと思っているのだが、そういう事を決める人はパソコンを使えない人と相場が決まっているので、話しはラチがあかない。全く涙がでるほど素晴らしい労働環境だ。
もう少し日本のオフィスも労働環境といった部分に気を配る必要があると思う。精神論ばかりで生産性が上がる訳がないのだ。コスト削減と言った議論はあるだろうが、ホワイトカラーが相応の創造的な作業をする為には、しかるべき環境が無ければお話にならない。別に個室とセクレタリーをよこせと言っている訳ではないのだ。せめてパーティションと作業が十分にできるスペースと、PC作業を考慮した姿勢が維持できる机と椅子は最低限だろう。狭い、きたない、ぼろいじゃぁ仕事する気力なんかはわいてこないし、良いアイディアも出るわけが無い。
精神論で、竹槍突撃だと言っていた日本は合理主義の国アメリカとの戦争にしっかり負けたではないか。どうやら戦後50年経っても何にも反省ができていないようだ。