199700826 of Yasushi's Life


社長室のドア (August 26, 1997)

WEDGEという雑誌に出ていたスズキの社長である鈴木修氏のインタビュー記事の中の言葉が印象に残った。引用してみたい。

「私の部屋のドアは開けておくから誰でも入ってらっしゃい」と自由な雰囲気を強調する社長もいるようだが、おそらく誰も入ってこないだろう。呼びつけてでも「社長は何でも聞きたがっている」という姿勢を理解させ、社長室に出向く癖をつけさせれば、人は来るようになる。 (WEDG 1997年9月号)

その通りである。普通の日本のサラリーマンならば誰だって「ドアは開いているよ」と言われて社長室までのこのこと出かける訳が無い。むしろそれを信じて出かけても「あいつは何だ」と思われるのが関の山であろう。世間向けのPRってのがわからないのかというのが評価だ。それに普通は秘書が止めるだろう。

そういうくだらない体裁にこだわらない鈴木氏の物言いはとてもさわやかだ。格好をつけたがる経営者なんていらない。そんなことは引退でもしてから元企業トップ向け老人クラブであるどこぞの経営団体にでも入ってからやってもらえば結構だ。

経営者がしなくてはならないことは文字どおり経営だ。経営を成功させるためにはいつも良い顔ばかりはしていられないだろう。そういうことをすべてを承知してひたむきに経営に取り組む経営者が企業を競争の中で生き延びさせていくのだろう。

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