くるま (July 1, 1997)
先日購入した車が納車された。
基本的には車は動けばよいと思っているし、せいぜい乗っても月に3、4回程度の私だ。前の車は父親からうばいとってきたトヨタビスタ、色は白、もちろんオートマチックという正にファミリーセダン中のセダンとも言うべき車であった。車検も近づいて来ているので、ここらで買い替えるかと思い立ち、今回の購入となったのだ。
車に全資産ぶちこみ借金まみれといった趣味はない私は、それほど懐を痛めぬよう、もちろん間違っても何百万円もする高価な新車を買うなどということはせず、穏便に中古車を購入したわけである。
しかし車種だけはファミリーセダンとは全く異なる嗜好の車となった。赤のマツダ・ユーノス・ロードスター、2シーターのオープンカーという代物だ。ビスタからロードスター。同じ車とは到底思えないほど異なった車を選んでしまった。
まずマニュアルミッションだからクラッチを踏んでギアをせわしなく操作しなくてはならず、車内は狭くて騒がしく、車高が低くて路面に貼り付いているようだし、スポーツパッケージということでサスペンションは硬いので路面のガタガタを拾い、ステアリングも反応が良いのでセダンの様に片手でリラックスして走るという訳には全くいかない。
しかしこういった部分もルーフトップを開けてしまえば、一瞬にして全て忘れることができる。お日様を浴びてのんびり走れば最高だし、暗くなってからだって涼しい夜風を感じながら湾岸線を走るのは心地好い。
赤のオープンカーを買ったということを話した友人達からは「おまえ、相当煮詰まっているねぇ、そんな車買うようじゃぁ」と指摘を受けたが。その通りかもしれない。でも、そんなことはおかまいなしだ。
これから夏本番に向けて、ルーフトップ全開でお天気の週末には日差しを浴びてドライブして日頃のストレスを吹き飛ばそうと思っている。
私のこの夏のささやかな幸せということだ。