199700715 of Yasushi's Life


アライアンス (July 15, 1997)

日本長期信用銀行とスイス銀行が戦略的なアライアンスを進めていくことが発表された。

私がニュースを見た時点で発表されていた内容は、相互株式持ち合い3%程度、長銀が発行する劣後債の50%をスイス銀が引受、長銀証券とウォーバーグ証券の合併、共同作業を進めるための委員会設置などである。詳細な内容はこれから引き続いて発表されていくことであろう。

このニュースを知った時、「そうか長銀、こういう形で生き残りを目指したか!」と呟いてしまった。長銀はスイス銀とのアライアンスにより、世界に通用するインベストメントバンクとしての生き残りを目指すことになる。インベストメントバンキング業務で優れた成果をあげてきている長銀には最もふさわしい方向性だと感じる。

ポスト・バブルの不良債権問題により体力が弱っているというアゲインストの状況の中、目前に迫った日本版ビッグバンへ向けて、多くの大手銀行は様々な形で生き残り戦略を模索している。一つのカテゴリーは、ある意味でスケールダウンをしフルライン業務をあきらめて特色ある銀行として生き残っていこうとする銀行である。もう一つは、より大きくを目指し世界で通用するマネーセンターバンクあるいはインベストメントバンクとして生き残りをかける銀行。そして最後に残るのは、自らの行く末を未だ決めかねている銀行と言うわけだ。

今日のニュースは3番目のカテゴリーの銀行に残された猶予期間は後わずかしかないという事実を告げている。一人で歩いていく事を決意するのか、あるいは誰かと共に歩んでいくことを選択するのか。経営者の決断が問われる。

今までぬるま湯に浸かった護送船団業界の中でキャリアを積み、出世してきた銀行経営陣がどれだけしなやかな経営判断を見せるかお手並み拝見だ。

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