狭間の世代 (June 4, 1997)
デジタルクリエイター(いったいどんな職業何だろう??)の高城剛のインタビュー記事の中で、彼の言っていることが妙に気になった。「30歳前後の世代はデジタル世代とアナログ世代の掛け橋」という部分だ。
まさに私もこの世代である。
インベーダーゲームの洗礼を受けたのが中学時代、ゲーセンに入り浸り、ファミコンがはやり、CDがレコードを駆逐するのを眺めていたのが大学時代から社会人初期の20代前半、パソコン通信がブームになったのは20代後半、インターネット、携帯電話、PHSが爆発的普及をしたのは30になったころという具合だ。
確かに生まれた時からデジタル技術に囲まれていた訳でもなく、ガキの頃はファミコンで遊ぶのではなくボールを追っかけて外で走り回っていた世代であり、純粋アナログ世代に育てられたカルチャーをバックボーンとして持っている。
それと同時に、デジタル技術の進歩は物心ついてから自分の成長と同じスピードで進んできた訳で、新し物好きならばファミコン、パソコン、パソ通、インターネットと飛び付いてきたのも確かで、デジタル時代の先駆けとも言える。
どっちも知っているのでコウモリみたいな世代だ。両方知っているから、それぞれの良いところを引き出してシナジーで面白いことができるんだろう。逆にツボにはまれなかった不幸な奴は両方とも中途半端で良いところ無しという悲惨な目にあっているとも言えると思う。
これからこの世代が社会でより決定権を持つ立場になっていくが、既存のアナログ世代標準の枠組みとデジタル世代を利用した新しい枠組みとをうまいこと擦り合わせていくことができれば日本という国も結構捨てたものでなくなるかもしれない。
しかし、その為にはパソコンも使えないオヤジやオバサンに手取り足取りカット&ペーストやらメールの送り方を教えると同時に、若い連中にオッサンやオバサンの考え方というものを通訳して理解させるということを続けていかなくてはならないのだろう。考えてみると、うっとおしいことをやる羽目に陥った世代なのかもしれない。これじゃぁ生まれつきの中間管理職世代だ。まあ時代の要請ということであきらめるしかないのだろうか?