19970515 of Yasushi's Life


金融機関の常識 (May 15, 1997)

破綻した日産生命の整理にあたって日立と日産自動車が支援要請を受けていたが、両社はその要請を拒否したという報道がされていた。

拒否の理由は支援を正当化する理由が見つからず、支援することによって株主代表訴訟を受ける危険性もあるからということである。当たり前と言えば当たり前の結論である。せいぜい取締役を1、2人送り込んでいるといった程度で500億円近い負担などできる訳がない。こんな間抜けな打診をする方もする方である。

奉加帳方式という大蔵主導の金融行政下におけるアプローチは見事に否定された。まさに金融機関の常識と世界を相手に業務を展開しているメーカーの常識の違いがくっきりと描き出されたと見るべきだ。

どちらが世界に通用する常識なのだろうか?答えは明白だろう。

穿った見方をすれば、通産のテリトリーには大蔵は踏み込めないというか、大蔵の威光もメーカーには及ばないともとれる。あるいは金融業界という身内だけでは破綻金融機関処理を維持していくことができなくなったので、一般産業界までまきこみ始めた大蔵の動きを通産が封じ込めたともとれる。

まあ これは穿ち過ぎだと思いたい。

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