19970525 of Yasushi's Life


マックのノートパソコン (May 25, 1997)

アップルから新しいノートパソコンが売りだされる。機種名はPower Book 2400c/180というマシンだ。アップルとIBMが共同開発したというのが売り物らしい。

正直なところ長年マックユーザーをやってきていた私は共同開発の新しいノートパソコンに相当期待をしていた。DOS/Vマシンに対抗できるスペックのマシンを売りだしてDOS/Vユーザーをマックに宗旨変えさせ、何とか起死回生をはかって欲しいと心から願っていた訳だが...

しかし、結果はあまりに無残である。

雑誌のプレビューによれば、重量1.98Kg、PowerPC 603e (180Mhz)、メモリー16M(最大48M)、HD1.3G、10.4インチアクティブマトリックス、バッテリー持続時間2~3時間、フロッピードライブ外付けという仕様だ。(PowerPCなんていうCPUを耳にしたことの無い方に説明すると搭載されている603e/180Mhzというのは決して最速のCPUではない。)

これで予想市場価格が40万円前後だそうだ。プレビューのお誉めの言葉は「小さくても性能の切り捨てはしていないフル装備のマシン」(Mac Fan6月1日号より引用)だということらしい。今までノートパソコンを買おうにも、そもそもこの世の中にまともなマック用ノートというものが存在していなかったので、新製品の発表はマックユーザーにとっては朗報と言えるかも知れない。

しかし、私もマックユーザーであるが、こんなもの買いたいとも思わない。実質2Kgもあるノートパソコンを誰が持ち歩くのだ。考えてみてほしい、PanasonicのLet's NoteはPentium 150Mhzを搭載、HDは1.5Gとほぼ似たようなスペックで価格はなんと30万円を切っているし、重量だって1.5kgだ。IBMが売りだしているThink Pad 535だって30万円を切っているし、モデムまでついている。はっきり言わせてもらえば、このマシンのどちらも小さくても性能の切り捨てはしていないフル装備のマシンだ。これがマックの新ノートブックが競合すべきマシンのスペックなのだ。競合どころの騒ぎではない。1時代前のマシンと言われても返す言葉が無いはずだ。

要はアップルの新しいマシンはDOS/Vユーザにとってみれば「なんだそのスペックと値段は?」と思われてしまうような内容だと言うことだ。

アップルよ、競争すべきは今まで自分達が世の中に売りだしたマシンのスペックと価格ではない。競争すべきはDOS/Vマシンのスタンダードなのだ。これがアップルによって理解されない以上マッキントッシュというマシンが存在しなくなる日も遠くないことだろう。

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