禊 (September 12, 1997)
橋本内閣の新しい閣僚の顔ぶれが発表された。今回の話題の中心は佐藤孝行氏の入閣だ。ロッキード事件で贈収賄に絡み有罪判決を受けた人物である。
まったくあきれた話である。この世の中で有罪判決を受けてハクが付くのはせいぜい暴力団と政治家くらいだろう。
選挙で再当選しているから禊はすんでいるという声が永田町では聞こえるようだが、小選挙区では落選しておいて、比例代表区で救われて当選した人物が禊が済んでいるとは到底思えない。やはり贈収賄にからんで有罪判決を受けた人間を小選挙区で当選させるほど日本の選挙民も馬鹿ではなかったのがせめてもの救いだろう。「一度の過ちで彼のキャリアをだいなしにするなんてことはあってはならない」とか「刑は済んだのだから、終わった話だ」などという言葉が報道されているが、どういう神経でこういう発言をするのだろうか?てめえら国民を馬鹿にするにも程があるぞと言いたい。
もちろん罪を償った人間を不当に差別する事は望ましくない事であろう。しかしだ、国民の代表たる政治家、さらに国の行政を司る閣僚に普通の人と同じスタンダードをあてはめてもよいはずはない。彼が犯した罪は交通事故でもなく、暴力沙汰でもない。公務員としての地位を濫用した罪だ。政治に携わるものとして決して犯してはならない罪を彼は犯したのであり、政治家としてのキャリアはそこで終わるべきなのだ。
そんな妖怪変化が閣僚としてうろつく国、日本。ちょっとどうかしてませんかね?