連邦地裁で原告側証人による証拠呈示のヒアリング開始(3月21日、22日)

(March 27, 1996 updated)

原告側証拠提出のヒアリングの実施

3月21日、22日にフィラデルフィア東部連邦地裁で行われているCDAの違憲を巡っての訴訟において原告側(市民団体側)証人の証言による証拠提出が行われた。

法廷の指示によって、原告側証拠である証言はAffdavidと呼ばれる宣誓供述証書によって事前に書面として提出されていたため、当法廷でのヒアリングでは被告側(アメリカ政府)の弁護士による証人に対する反対訊問と、その反対訊問を受けての原告側再訊問と判事による質問が行われた。

今回のヒアリングの特筆すべき点は、法廷にT1リンクが敷設され、ラップトップコンピューターとプロジェクターが持ち込まれた上で、SurfWatch社が販売している未成年者保護用のホームページ閲覧制限ソフトのデモンストレーションや実際のネット上でのウエッブページへのアクセスが判事に対して示されたことであろう。これは原告側が「インターネットとは何か?」を書面化された言葉ではなく、現実の物として判事の前に示すためのものである。

証言台に立った証人

3月21日(木曜日)

3月22日(金曜日)

各証人の証言の主要点

Scott O. Brandnerは主としてインターネットがどの様に成り立ち、いかにして急速に発展したかを説明する共に、ネット用語、技術用語の説明を行った。

Ann W. Dunvallは前述の通りに、SurfWatch社のソフトの実演を行い、未成年の保護を行うためには情報発信者側でなくエンドユーザー側で行うことが最も効果的で現実的であり、かつまたその技術も既に確立されていることをデモンストレーションを通じて示した。

Patricia Nell Warrentは自らが主催するゲイ、レズビアンについての古典文学作品のサイトがCDAの成立によって危機にさらされる恐れを説き、同時に彼女が主催する若いゲイ、レズビアン達の為のNETZINE(MAGAZINEのネット版)も同時に危機に陥ると述べた。

Kiyoshi Kuromiyaは、18歳までに全体の85%以上が性的な行動を行うというアメリカの現実に則して考えた場合に、彼が主催しているウエッブページで公開されているAIDSに関する情報ならびに、性的交渉を行う際のAIDS防止上の留意点は未成年のAIDS防止のために不可欠なものであり、それがCDAによって不可能になるという危険性を述べた。

被告司法省側の弁護士はPatricia Nell WarrentならびにKiyoshi Kuromiyaに対する反対訊問は行わなかった。

Reverend William R. Staytonは未成年者が性的に露骨な画像を見ることが直ちに未成年者を害するものではないことを述べた。これに対して被告司法省側の弁護士は性的に露骨な画像は未成年者のみならず、女性をも害するという方向での反対訊問を行った。

Donna HoffmanはCDAによる検閲がインターネットの発展を大きく阻害し、CDAによる訴追を恐れる多くの一般個人によるホームページは閉鎖に追い込まれ、訴追に対する法的な防御を採ることが可能な大企業によるホームページが生き残ってしまうという危険性を説いた。

Robert B. Cronenbergerはインターネットと図書館という比喩を以てCDAがインターネットに課そうとしている検閲の問題を浮き彫りにした。彼はCDAが現実の物となった場合には彼の所属する図書館ではインターネットからアクセスができる全ての図書目録のチェックを行い、「indecent」「patentaly offensive」と見なされる危険性のある物を抜き出す作業が必要となり、その為のコストは何百万ドルとかかる可能性があると述べた。この証言を受けて判事は「図書館には誰でもが立入り自由であるし、立ち入る際に身分証明書で年齢のチェックを受けることは無いだろう」と述べた。

原告側弁護士のコメント

原告(市民団体)側の主任弁護士は今回のヒアリングの証言によって、なぜCDAが違憲であるかという主要な理由について極めて明瞭な証拠を呈示することができたと述べている。

今後のスケジュール

4月1日に原告側の最終弁論が行われ、その後被告(アメリカ政府)側による証言による証拠提出が4月12日、15日に行われる。最後に被告側の証人に対する反駁の為の原告側証人訊問が4月26日に行われる予定である。一連の証人訊問が終了した後に法廷は判決を下すことになるが、今までの法廷の迅速な対応を勘案すると判決が下されるのは春が終わるころであろうと見込まれる。

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