最高裁判決
January 30, 1998
不良債権の回収に関する重要な判決が出た。
抵当権にもとづく物上代位による賃料の差し押さえと賃料債権譲渡担保の優先順位にかんする最高裁判所の判断が下された。結論から言えば抵当権が優先するというものだ。はやいうちに判決文を入手してその内容を吟味してみようと思っている。
日本の歴史において、現在ほど不良債権が積み上がったことはなかった。数十兆円の延滞債権が世の中にあるわけだ。莫大な量の競売が申し立てられ、破産法が企図しなかったような業種で大規模な破綻が起きたりしている。日本の法律(民事執行法、税法、破産法などなど)やら裁判制度はこんな状況を想像して作られたものではない。したがって、不良債権の回収を行っていくにあたって債権者は様々な困難に直面している。今回の最高裁判所の判決もそういった困難の一つに結論を出したものである。
しかし残念ながら最高裁判所までたどり着いて判断が下されるには何年もかかる。何年という時間は債権者にとってみれば永遠の時間である。
今の世の中の議論では、バブルがはじけて何年も経つのに金融機関は一向に不良債権を処理しなかったし、その結果金融システムが不安定になって、国民全体がひどいめにあっている。いったい金融機関は何をしていたのだ!!という流れになっている。もちろん、大胆な処理を行ってこなかった金融機関に落ち度がなかったとは言わない。しかしながら、法律、裁判制度などが金融機関の回収の行く手を阻んでいたという側面があったこともこれまた事実であろう。ぜひとも、この機会に債権回収に関する法律制度を一度真剣に見直す作業を行ってもらいたいものである。さもなくば、将来再びバブル崩壊が起きたときに全く同じ苦しみを味わうことになるのだから。