謹賀新年
January 1, 1999
あけましておめでとうございます。
いよいよ1900年台最後の年となってしまいました。2000年なんてずっと遠い未来のことだよなぁと思っていた小学生時代の自分のことをふと思い出したりします。
年初ですので、1998年を振り返ってみようと思います。
私のように金融を生業にするものにとって、本当に激動の1年だったように思います。97年に続いて、長期系の巨大銀行が国有化という名前の下に市場から退場し、貸し渋りが本格化、デフレスパイラルが現実のものとなる状況に直面しました。明日がはっきりしないという意味では、戦後最悪の経済状況に陥ったと言えるでしょう。
とはいえ、暗い話ばかりではなく、金融再生法案によるセーフティーネットの枠組みは不完全ながらも少なくとも完備され、不良債権処理のための市場が立ち上がるなど、日本の金融が21世紀に向かう再生の足場が遅まきながらも固まりつつあるのは事実だと思います。今年も引き続き大きな動きがあると思いますが、明るい明日のための痛みであることを信じて、乗り切っていきたいものです。
個人の仕事面では、13年7ヶ月勤務した三井信託銀行株式会社を10月末に退職し、アメリカの投資銀行の日本法人に籍を移し、日本の不動産に対する投融資の仕事を始めることとなりました。大企業の名前を背中にして仕事をしていた時とは大きく異なり、自分が知恵と勇気を使って紡ぎ出すものが評価される立場です。怖くない、と言えばそれは嘘になります。終身雇用のセーフティーネットを自ら飛び出すことなわけですから。しかし、その終身雇用自体も今年はその存在自体が大きく揺らぐ年となっていくことと思います。人が努力することを忘れてしまう組織に世界的な競争力の維持は不可能だからです。企業にとっては勝ち残っていくために、雇用のあり方を問う年になることと思います。
とにかく、自分が望んで飛び出した道です。売り手としてその立ち上がりに努力した不良債権市場で、今度は買主として頑張っていくつもりです。バブル崩壊以降、完全に凍り付いてしまっている不動産市場に、米国のリスクマネーを投下することで流動性を確保し、不動産市況の回復を目指していきたいと思います。
著述関係では、「インターネットで外国法」(共著・日本評論社)、「銀行員はExcelをこう使う(融資編・渉外編)」(編著・きんざい)と3冊もの本を出版する機会に恵まれました。3冊ともネットワークで知り合った方々との共同作業の成果です。昨今はネットワークの暗黒面ばかりが社会的に取り沙汰されていますが、ネットワークを正しく利用すれば大きく羽ばたく素晴らしい翼を得ることができると信じています。今年もより大きな広がりを持った翼を求めていこうと願って止みません。
最後に、この「泰の言いたい放題」ですが、遅れ遅れながら何とか更新を保っております。自分にとってのネットワーク世界とのつながりの窓として大事に育てていきたいと思います。
1999年が皆さまにとって幸多き、素晴らしい年となることを心よりお祈りして。