Technology is on the go!
February 18, 1998
朝食をとりながらHonolulu Advertiser(ハワイの朝刊紙)を読んでいると、2つの通信関係の記事が目に付いた。
1つ目はLoca Multipoint Distribution Services(略してLMDS)と呼ばれる通信システムである。これは携帯電話のように基地局を設営して極めて高い周波数の電波を送信することによって電話、テレビ電話、インターネット接続を提供しようというものである。携帯電話は移動システムであるが、これは受信側も衛星放送のようなアンテナを付けて定置で行うサービスである。
LMDSが利用する周波数は高いので大容量のデータをやり取りすることができ、電話システムなどに全く新しい次元を開くと言われている技術だそうだ。また、LMDSは無線システムなので、新しい会社が電話線網やケーブルテレビ網を作るといった過大な投資無しに地域電話業務やケーブルテレビ業務に参入するチャンスを与えるものであり、アメリカでは相当興味が高まっている。このLMDSの周波数を利用する権利を連邦政府が入札にかけるのだそうだ。数多くの企業が入札に殺到し、既存の電話会社やケーブルテレビ会社は戦々恐々である。市場に新しい参加者を惹きつけ、新しい技術を作り出させるというやり方はいかにもアメリカ的だ。こういう積み重ねで今のアメリカの好景気はもたらされたのだろう。
2つ目はAmerica Onlineの料金値上げである。現在は19.95ドルで使い放題が2ドルの値上げとなり21.95ドルである。AOLは1,300万人の加入者を持ち、個人利用のインターネットの60%近いシェアを握っているので、この値上げは様々な波紋を呼んでいる。「2ドルの値上げで顧客が他のプロバイダーに移るかどうか?」という問題である。
AOLの19.95ドルという価格は一つのデファクトスタンダードであり、全米に4000以上あるといわれるインターネットプロバイダーの料金設定に大きな影響を与えてきた。多くのインターネットプロバイダーは19.95ドルでは到底やっていけず、将来の収益を夢見て赤字に耐えていた状態であったので、ある意味ではAOLの値上げは朗報とも言えよう。プロバイダーによってはすかさずAOLの値上げを顧客増加につなげるためのキャンペーンを開始したところもある。しかし、多くのプロバイダーは次の一手をどうするか決めかねているようだ。今の価格水準を維持してAOLから顧客を奪ってくるのか、それとも追随して値上げをするのか。
今後しばらくアメリカのインターネットプロバイダーの価格戦略がどう動いていくのかは楽しみである。まあ私であれば2ドル程度では今まで使っていたプロバイダーを変更する手間を考えればそのまま留まると思う。そういう意味では2ドルという値上げ幅はとてもうまく設定された値上げ幅ではないだろうか。