人の振り見て我が振り直せ
March 11, 1998
橋本総理が民間金融機関の首脳を官邸に呼んで貸し渋り問題について会談した。会談の中で橋本総理は一層のディスクロージャー、リストラ、貸し渋りの解消要請を行ったそうだ。
日本銀行の営業局課長の逮捕に伴って野党は日銀総裁、大蔵大臣の辞任を要求している。
最近の金融スキャンダルは政治家にとって大活躍の場所である。大蔵省、日銀、民間金融機関首脳を批判して、旧弊の打破を大声で叫ぶことは世間受けすることこの上ない。しかし、こういうアクションに惑わされてはならないと思う。
現在のスキャンダルは、政治家が誰一人として十分なイニシィアティブをとれない時代が続き、それを官僚、民間企業の複合体が補い、日本の成長を維持してきたというパラダイムが生み出した汚物である。そしてその官民複合体に寄生し甘い汁を吸っていたのが日本の政治家である。私は到底現在の政治家が大蔵省、日銀、民間金融機関首脳を批判することができる立場にあるとは思わない。
実際、あれだけ大騒ぎした行政改革は結局のところ骨抜きになり、政治家自らの倫理に関しての立法もまともに進んでいるとは到底思えない。現在の景気後退は景気認識を誤った政治の責任以外の何物でもないだろう。更に、新井代議士の自殺という事態を引き起こした株式投資利益供与疑惑は政界に大きな影を落としている。
政治家が批判をすることを止めろと言うつもりはない。しかし、批判をするのであればまず自らのあり様を律することが先決ではないか?政治がディスクロージャーを高め、リストラをし、旧弊を打破することができなければ、国民は声高に叫ぶ批判の声を単なる猿芝居だと思うだけだろう。批判の声はむなしく響くのみである。