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新婚旅行客


ハワイでの出張の続きである。

ご存じの通りハワイは新婚旅行のハネムーン先のうち毎年1、2位に選ばれる場所である。私が出張に向かう飛行機の中も新婚旅行客で一杯であった。まあ出発したのが日曜日の夜だったということもあるのだろうが。

ホテルに泊まっていてもロビーやらレストランで数多くの日本からの新婚旅行客を見かける。本当は一番楽しい時期のはずなのに、なぜか目にする新婚旅行客は誰もが無表情でぜんぜん楽しそうではない。短パンにTシャツを着てウェストポーチをした旦那と、ジーパンにポロシャツを着て肩からショルダーバックを提げた奥さんが、言葉も交わさずに、ちょっと距離を置いてとぼとぼ歩いていくのが最も一般的な姿である。よっぽどOL2人連れで旅行をしている人達の表情の方が明るいように思ってしまう。

それに引き換えアメリカ人の夫婦達は全く反対である。日本人客ほど新婚旅行だと簡単にわからないので、夫婦連れの観光客一般として見ても、皆見るからに楽しそうで、仲良く話をして、いちゃいちゃべたべたしている。見ているこちらまでもが微笑んでしまいたくなるような光景である。

西洋のスタンダードから見ると東洋人は概して表情に乏しいと言われるものの、それにしてもなんだかなぁと考え込んでしまうような状況である。

アメリカ人は相手に自分の気持ちが伝わるか否かが不安でたまらないので、いつでもキスをしたり、愛の言葉をささやいているのだよという説もあるらしい。となると、日本の夫婦は以心伝心で言葉にも表情にも出さないで愛を伝え合い、新婚旅行の楽しみを分かち合っていることになる。

不幸にして結婚したことがないので、このあたりが真実か否かは私にはわからないが、以心伝心で心を通わすことができる相手を見つけないと日本では結婚がうまくいかないということになると私にとっては相当難題である。

それよりは私にとっては楽しいときには楽しい表情で、うれしいときはうれしい表情で、ちゃんと言葉にしてお互いの気持ちを伝え合う方が簡単だ。

相手の気持ちがわかっていると思い込めるほど私には勇気はないようだ。