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実録・長銀部店長会議


3月末がくれば一段落つけるという予想が大幅に狂い、ゴールデンウィークの直前までは忙しい日々が続く。とは言え、言いたい放題のほうもかれこれ2ヶ月近く更新をしていないこともあり、ぼちぼちと再開していくつもりだ。

再開第一弾は公的管理となった長銀をめぐる本についてである。

この本、元長銀の財形部長が退職後執筆した本であり、破綻直前の1年間に行われた部店長会議の有り様を克明に描いたものである。スキャンダラスな内容を期待して買われるむきにはお勧めしないが、長銀という船が沈んでいく際に、経営陣が経営幹部である部店長に対していかに対応し、現場がそれをどう感じたかを知るためには一読の価値はあると思う。

(略)戦に敗れると兵士は惨めです。でも大将は(頭取)もっと悲惨でしょう。これから、世の辱めを受けなければなりません。この後、公の場で、責任の追及を受けた時は、思い切って自説を述べてください。

「戦後の経済復興に貢献した銀行が、何故、完全自由化の直前に幕を閉じることになったのか。」

私達兵隊が、国民がしっかりわかるように、正直に話してください。今の世論のままでは、私達はあまりにも悲しすぎます。

実録・長銀部店長会議(竹内正敏著)より引用

長銀という金融機関の意義、そしてその破綻から公的管理への移行のプロセスが将来どう評価されるのかは定かではない。あるいは、戦後の経済復興を推し進めるために存在した長短分離・護送船団による金融行政が変節を迎え、金融監督庁による新しい金融行政が始まったことへの評価といっても差し支えないだろう。

(略)このような混乱の中で、長銀の実務に携わる職員が統率を失わずに業務を継続したのは驚くべき事だ。窓口での混乱はなかったと聞いているし、「あすにも日銀特融か」と言われながら、自力による資金調達を貫いた。彼らを駆り立てた原動力は、組織防衛ということもあるだろうが、バンカーとしての意地と誇りもあったに違いない。

(平成10年10月28日 東京新聞夕刊コラム「こう見る」より引用。強調はwebmasterによる。) 人様からお金を預かり、それを運用し、決済を司るバンカー。たとえ金融行政や市場が変ろうとも、バンカーが持つべき倫理と矜持は変らない。そして、どれほど市場が変ろうとも、その倫理と矜持を持ち続けるものが最後に生き残るものとなるはずである。日本の銀行経営者は長銀の過ちを教訓として自らを律し、再生への道を進んでいってもらいたいと心から願う。