大学院
June 11, 1999
某外資系銀行につとめていた知り合いと昼食を共にした。
彼は私と同じ不動産ファイナンスの仕事をしていたのだが、仕事を辞め、この4月から大学院で都市開発を学び始めている。たまには世間で何が起きているのかを話さないと時代から取り残されるので、昼飯でもどうですかという誘いを受けてのことである。
研究テーマを指導教官に話をしたら、「ちょっと商売っけが強すぎないかい?」と言われたそうだ。相変わらず日本の大学院は進歩していない。もちろん純粋に研究を続けていくことを否定するわけではないが、それだけが大学院の存在理由なのだろうか?もちろん理論は大事だし、基礎的な研究もおろそかにはできない。しかし、特定のフィールドについて更なる知識を得て、ビジネスに戻っていく事を指向する学生を育てることは、大学院という組織にとって極めて重要な任務の一つだと思う。
特に、大学への進学率がきわめて高くなり、高等教育機関とは到底言えない状況があり、加えて労働力の流動化が加速し企業内教育の在り方が問われる状況のなか、ビジネスを実体験した上で更に高い知識を得て、再びビジネスの世界に戻っていくことを希望する人間の教育を大学院が担わずに、誰が担うことができるのだろうか。
昨今は、大学院の社会人入学が盛んになり、ビジネス経験を積んだ人間が大学の教員として採用されるという方向は加速しているようであるが、更にこの方向性を強め、象牙の塔をより開かれたものにしなくては、日本のビジネスパーソンの競争力は弱くなってしまうように思う。