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ゆりかご


朝9時から夜9時近くまで仕事をし、疲れて家へ帰り、夕食を済ませて、寝る。普通の勤め人の典型的な暮らしである。最近こんな暮らしがほとほと嫌になってきた。こんな暮らしを続けていると放電し尽くしてしまいそうな想いにとらわれる。新しいもの、価値のあるものを生み出すためには余裕のある暮らしが重要だ。四六時中仕事に追われていては創造的な仕事などできるわけがない。

ふと、日本のサラリーマン社会はその構成員から想像力を奪う壮大な機械装置なのかもしれないと思う。会社に縛り付け、他のことが見えないようにしてしまう仕組みのsophisticationの高さは見事だ。このsophisiticationが数多くの企業犯罪を生み出してきた土壌であろう。しかし、なんと言われようとも、長いことこの中に暮らす人にとってはその仕組みはちょうどゆりかごのように安楽なのであろう。だからどこへも足を踏み出さない。

この仕組みをどこかで壊さない限り日本の社会に起業家の力はみなぎってこない。サラリーマン社会をぶち壊すことによってのみ新しい力が生み出されてくるのではないか?そう考えると昨今の企業破綻が加速すれば、否応無しに人々は自分の力で歩むことを迫られる。

ゆりかごの中で安楽に死ぬことを望むのか、荒野に打って出て風雨に耐えて前へ進むのどちらを選択するかと問われれば、間違いなく後者を私は選ぶであろう。