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SOHO


NORIKOさんの実家に現在執筆中の本の作業をするためにお邪魔した。

大きなテーブルにデスクトップPCが1台、バブルジェットプリンター1台、ノートパソコンが3台。PHSを利用して32Kという高速でインターネットにも2台のパソコンは接続しているし、普通の電話回線もあるから少なくとも3台はインターネット環境となっていた。後から来たテスさんが「一体何台パソコンあるんですか?」と驚いていたのだが、下手な会社のオフィスよりははるかに充実した環境である。

個別の執筆作業はそれまでパソコン通信やメールを利用して進めていたので、終盤を迎え全員で顔を合わせて作業したほうが効率が良いと思われる説明用の画像処理をやったのだが、参加者が全員パソコンを苦も無く使うのでサクサクと作業は進んでいった。

最近はやりのSOHO (Small Office, Home Office)という言葉があるが、まさにそれである。週末SOHOとでも言おうか。

今まではたとえ面白いコンセプト、アイディア、ノウハウと言ったものを個人が持っていても、それを具体的に社会に通用するものにするためには、設備の面から大きな限界があった。しかし、オールインワンパソコン1台20万円、ファックス3万円、プリンター3万円、ISDN関連設備4万円、スキャナー5万円、デジタルカメラ5万円、携帯電話1万円のしめて40万円前後あれば大会社相手にしてもまったくひけをとらない仕事が世界中をフィールドにしてできる時代がやってきた。むしろ小規模のチームで仕事をしたほうが、意思の疎通も速く、方向転換も柔軟にできるので質的にもはるかに高いものが提供できるわけだ。

根回し、稟議書、大企業病、組織の動脈硬化も関係ない。純粋に面白くて楽しいと思う連中が集まって仕事をする。これは強いチームを作り出す。そこで勝負を決するものは「アイディア」であり「ビジョン」である。

もちろん良いことずくめではなく、すべての結果は自らの身に降りかかるというリスクがあることを忘れてはならない。小さいと言っても企業体であるわけだから、身を守る術も持っていなくては生き残れない。常に周囲を見回して、危険を回避する能力は言うまでもない最低限のことだ。これが無ければ「アイディア」や「ビジョン」は現実のものになっていかない。

SOHOが成功するためには攻めも守りも両方できなくてはならないはずである。しかし個人的な印象であるが、日本のSOHOはどうも守りのことを忘れがちである。攻守のバランス感覚を持った人はいわゆる大企業の経営の中核にいる超エリートと呼ばれる人達に多くいるはずである。その中で「アイディア」と「ビジョン」を持っている人材がSOHOとして歩き始めたらこれほど強いものはない。彼らの多くがSOHOとして自らの道を歩み始めたときに日本のSOHOは今とは比べ物にないくらい面白くなっていく。

しかし、今のままでは彼らは外に出てこない。彼らを踏み出させるインセンティブが整っていないのだ。このあたりの環境整備が今後の日本経済を刺激するために必要とされていることなのではないかしら?