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無責任なマスコミ報道


今日の私は憤慨している。無責任で愚かなテレビ報道に対してである。

山一證券破綻後のインパクトを扇情的に報道する画像がテレビ画面を踊っている。百歩譲ってそういう画像を流すことは現実であるから致し方ないとしても、コメンテーターやら解説者の無知蒙昧かつ無責任な発言は絶対に許すことが出来ない。

「行き着くところまで行かないと金融機関の膿は出ないし、そうするべきである」といった趣旨の発言が目立つ。

「公的資金の導入をどう思われますか?」という質問に対して否定的な発言をする画像を多く流す。この質問はある意味で誘導尋問である。「今のまま現状を放置しておくと、あなたも混乱に巻き込まれますが、それでも税金を金融システム安定のために使うのは嫌ですか?」と尋ねられれば、NOと言える人は殆どいないであろう。もうそういうタイミングなのである。

個別の金融機関に関して経営が困難になって破綻が生じることは止むを得ないであろう。しかしだ、それはあくまでも個別金融機関の破綻が金融システム自体に影響を与えないというセーフティーネットが確立された上での話である。

今危機に瀕しているのは個別金融機関ではなくて巨大な債権国日本の金融システムである。個別の金融機関の破綻はあくまでも表層的な問題であり、本当の問題の所在は日本の金融システムの不安定さである。行き着くところまで行ったらどうなるか。金融システムは経済における血管である。それを崩壊させても良いという議論は何があっても許容されるべきではない。 日本の金融システムが崩壊した場合に日本の景気は致命的な打撃を受けるであろう。そして日本の金融システムは世界中の金融システムと密接にリンクしていることから、世界経済全体への影響も想像を絶するものとなるであろう。

「市場の力に頼るしかないですよね」としたり顔で言う。これは間違いである。市場の力は市場が維持されて初めて意味をなすのである。もし金融と経済のことが多少なりともわかっている人間は今の局面でこの様な暴言は絶対出来ないはずである。たとえ冗談であっても口に出来ない。なぜなら、その意味することがあまりに恐ろしいからである。

日系の金融機関に勤める者として自分のjob securityが大事であるからこんな事を言っているわけではない。むしろ、金融セクターの問題が日本経済全体に与える影響があまりに甚大であることが予想されるが故に、無見識な報道に対する怒りを述べているわけだ。アメリカの大統領すら不安に思う状況を、何も考えずに煽りつづけるマスコミ。

マスコミは官僚や政治に対して自らの政策に責任を負ったことが無いと批判をしているが、私はそれとまったく同じ問いかけを投げかけたい。誤った現状認識に基づき無用な不安を煽る報道の結末に対する責任を負うことが出来るのか?と。