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ちぐはぐな政策


今日インターネットで日経新聞のニュースを見ていたら、目を疑うような記事が出ていた。引用してみたい。 政府は特別公的管理(一時国有化)に入った日本長期信用銀行の貸出資産のうち、回収に注意を要する第2分類債権(灰色債権)について、長銀がメーンバンク(主取引銀行)でない場合、メーンバンクなど他の取引銀行に肩代わり融資を要請する。日本開発銀行など政府系金融機関にも協力を求める。代替による融資の継続で借り手に配慮しながら、長銀本体の灰色債権を減らし、資産内容を健全化するのが狙い。政府は民間銀の同意を促すため、公的資金を活用し、肩代わりした債権が焦げ付いた時に出る損失を穴埋めする仕組みも検討する。 わずかに10日あまりで、国会議員の若手実務者・政策通が知恵を絞って考え出したという自慢の金融再生法案に基づくスキームの限界が露呈したといえよう。まあ政治家の考えることなんてこの程度のことであると言ってしまえばそれまでなのだが。しかし、金融再生法案は日本の金融システムが復活できるか否かがかかる極めて重要なものだったはずである。それが、この有り様だ。

片方で大手行に不良債権処理を直ちに進めろ、灰色債権には引当をして、財務の健全性を取り戻し金融システムの不安を払底しろと命令しておきながら、その裏側で「長銀の灰色債権はメインバンクが引き取れ」である。政策の整合性もあったものではない。奉加帳をまわす護送船団方式の金融政策には決別したのではないのか?これでは大手行はまるで社会の敵まがいの叩かれ方をして、さらに回収に注意を要する債権まで押し付けられて、踏んだり蹴ったりだ。政治の無責任ここに極まれりと銀行は声をあげて抗議するべきであろう。

もちろん、灰色債権の貸出先への与信が細り、信用収縮が加速し、景気の悪化を防ぐことが目的であるのはわかる。しかしそんなことは金融再生法案を議論する前からわかっていた話である。貸出資産を白と黒にきっちり区分けして、白はそのまま、黒は回収なんてわけることが実務上不可能であることは北海道拓殖銀行の破綻以来大問題になっていたことなのだ。

そういった点に対する真剣な議論と実務的な詰め無しに、単なる政治のメンツで決まってしまった金融再生法の行く末が心配でならない。それと同時に、声高に建前論を主張し、自民党を押し切った野党もその責任をはっきりとした形で負うべきだと私は考える。