心暖まるメール
December 18, 1997
パソコン関係の雑誌で今年一年を回顧する記事を読んでいると、マクロウィルスのネット経由での拡散、クラッキング、SPAM、チェーンメイル、ネットでの名誉毀損などネットにおけるダークサイドがネット自体の発展にともなって存在感を増してきているように感じる。
人間一人一人が持つ悪意の大きさはたかがしれているが、ネットが悪意の増幅器として作用してしまい、システム自体へのconfidenceを失わせ、全体の安定性を損なってしまうというとても哀しい状況である。
そんな暗澹たる気持ちのなかで、先日アメリカ西海岸に留学中の研究者の方からメールをいただいた。私の言いたい放題を読み、現在研究を進めている金融信用リスク分析について私の意見を求める大変丁寧なメールであった。すぐに私は自分の考えることをメールにて送り返したところ、更にそれに対して一層深まった真摯なお返事を頂戴した。
私は、きっとこういうチャンスがあると信じて日々自分の考えをネットに投げかけている。ネットは悪意だけでなく、善意、知的な刺激、建設的な意見交換の増幅器になり、今まで私たちが感じたことの無い新しい地平を見せてくれる。
何も無い荒れ野に獣道ができ、それが踏み固められ道の体裁を成し、さらに舗装され快適な道となる。
私たちが暮らすネットの世界はまだ獣道を踏み固める途中にいるのだと思う。まだまだ歩きにくい道だ、しかしいつかそれが誰にとっても便利で快適な道になるためには、今そこを歩む者たちが前へ進みつづけ、その道を踏み固めていかなくてはならない。